NE.MUI
オノ夏キ
USB人間 |日本
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2019 SILVER
PARCO PRIZE
「無意識の中の境界線」について考察した作品です。 タイトル「ne.mui」の意味 「ne.」はNetwork、「mui」は「無意」という日本語です。 「無意」とは、意志のないこと。 故意でないこと。 また、意識のないこと。 「ne.mui」は、”NEMUI”と読めば、”私は眠い”という意味を持つ日本語も含みます。
作品の超体験にはVRHMDが必要になります。体験方法はこちらをご確認ください.。
CREATOR PROFILE
オノ夏キ
USB人間 |日本
2019年夏 、「思い出を空間ごとダイレクトに保存したい」と思い、自らUSB人間となる。 映像編集をしたり、イラストなどを制作しながら暮らしている。
-
ne:muiは、一連の夢の世界に落ちていくような新しく審美的な作品だと感じます。作品は巨大で混乱していて見当がつかず一貫性もありませんが、それがどういうわけか、「境界」、「アイデンティティ」、「睡眠」というテーマを意識させます。作者は、私たちが眠るときに意識と無意識の間をすり抜けるという部分についてとても興味深く着目しました。作品の中で作者はあなたに、VRアバターとしてのあなたの意識がどこにあり、VRの世界の人々がどのような存在として説明されるべきかを尋ねます。このようなVR世界における身体と意識の分離は新しい感覚であり、おそらく夢というものがその感覚を説明するために最も近い概念なのだと思います。夢のようにne:muiという作品は記憶に残りますが描写するのが難しく、時には楽しくも可愛くも感じる一方で、一種の邪悪な闇で切り取られている作品のようにも感じました。 この作品はいくつかの技術的な問題があり、体験者が少しうっとうしく感じることがありますが、それにもかかわらず、複雑なアイデアを効果的に探求するために、VRという表現方法に真っ向から挑戦したことは評価に値すると感じました。
NEWVIEW AWARDS 2019 審査員
Keiichi Matsuda
デザイナー / 映像作家
-
作品の制作目的と結果としての着地感としては詰め切れてない点も多く、未完成な作品という印象も受けましたが(特に操作面)、誰に何を与えるわけでもない個人的な妄想世界を奇抜なビジュアルと圧倒的に広い空間としてこれでもかと表現していた様に好感が持てました。空間を進むごとに変化していくビジュアル感は飽きることなく楽しめましたし(が、操作感が悪い、、、)、ビジュアルアートとして「カッコイイな」と思える部分があったのが印象的でした。未完成さが良い意味で次に期待したくなる要因とも感じていますので、次作があったら体験者を意識して、更なる圧倒的奇抜なビジュアル世界にスムーズに没入させてくれることを期待しています。
NEWVIEW AWARDS 2019 審査員
大月 壮
映像作家 / 映像ディレクター
-
「無意識の中の境界線」をテーマに、広大な空間で構成された熱量の高い作品でした。抽象度の高いテーマでありながら、「境界線」とその内と外での世界の変化を丹念に繰り返し作り出すことで独自の解釈や、それに基づく世界観を生み出すことに成功していたと思います。それはまた、夢うつつのなかで現実と夢のなかを彷徨うな体験でもあります。このVRという表現手法と、その技術が、作者自身の個人的な体験とその身体に分かち難く結びつき、まるで絵の具や粘土といったフィジカルな素材のように身体化し、無意識的に用いられていることが強く感じられました。そこに新しいVR作品のあり方の可能性を感じました。
NEWVIEW AWARDS 2019 審査員
谷口 暁彦
アーティスト
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。