Neo Tengri
Ardak Mukanova
Artist, Graphic and Motion Designer |Kazakhstan/USA
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2021 GOLD Prize
私は岩面彫刻(petroglyph)と「テングリ信仰(tengrism)」と呼ばれる古代遊牧民の宗教、そして、それらの再解釈法に興味があります。テングリとは、山の頂きに住み、空を表す古代の神です。
岩面彫刻の考古学的洞察、伝統的神話、自己流推測に基づき、私たちになじみのない環境を創作したいのです。ここは、巡回し、知らない手法と理解不能な言葉で未知のクリチャーたちと交流を試みることができる場所です。この場所にどんなクリチャーがいるかも分かりません。さまざまな解釈が可能です。
作品の超体験にはVR HMDが必要になります。体験方法はこちらをご覧ください。
CREATOR PROFILE
Ardak Mukanova
Artist, Graphic and Motion Designer |Kazakhstan/USA
私は、グラフィック/モーションデザイナーで、物理とデジタルプロジェクトの両方に取り組んでいます。出身はカザフスタンです。特にアメリカでパーソンズ美術大学でMFA(美術学修士)に通いながら、商業クライアントの作品と個人的なクリエイティブプロジェクトを行っています。ロシアのサンクトペテルブルク大学でグラフィックデザイナーの学士号と修士号を修了しました。現在、人類が存在しない世界を想像できるスペキュレイティブワールドと別の現実に重点をおいています。デジタルのいろいろなメディアと物理的な付け合わせを寄せ集めたトランスメディア空間の創作を試みています。私のプロジェクトはBehance(https://www.behance.net/ardak_mukanova)で、そのプロセスは多くの場合、Instagram(https://www.instagram.com/ardakmukanova)で共有しています。
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カザフスタン出身のArdak Mukanova氏は、モンゴルにおける民俗シャーマニズムに基づく古代遊牧民の宗教、テングリをテーマにVR空間を演出した。氏は、トランスメディア空間のクリエイティヴを得意とするアーティストとして、このテーマとので出会いは必然であったかのように、ヴァーチャル空間においてのミステリアスな世界秩序の構築に成功している。そこに描かれた古代の神々は逸脱し果てたクリーチャーとして、今世紀的ファンタジーを描いている。また、一神教であるテングリの物語は、ヘッドマウントディスプレイでのVR体験によって極めて深い没入感を生み出し、崇高なイニシエーションのような儀式空間を彷彿とさせる。
審査員長
宇川直宏
現”在”美術家 / DOMMUNE主宰
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自分の観点である「日常と非日常の境目」についての描写はなかったが、特異なデザイン性、色彩感覚など世界観の提示で突出した作品だった。今後の才能のさらなる開花に期待したい。
審査員
磯 光雄
アニメーター・演出・脚本家
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美しく歪んだ異質な世界。そしてそれにふさわしいサウンドトラックが魅力。
審査員
David OReilly
マルチディシプリン・アーティスト
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私たちに道を尋ねてくるような、不思議な空間。この空間は、デザイナーのイマジネーションと絡み合うことを求めているのです。この作品を見て、VRの感覚的な要素をもっと発展させ、「ヘッドセット」にセンサーを搭載することを切望しました。私はこの地を歩きながら、小さな月を飲み込み、「ごくり」とした感触、テーズや匂いを感じて、さらに私自身を巻き込みたいと思いました。優れたデザインは、今日あるものを与えるだけでなく、次にどこへ行くのかを私たちに問いかけてくれますが、NEO TENGRIはそれを実現しています。
審査員
Zowie Broach
Royal College of Art Fashionプログラム責任者
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Neo Tengriを選んだのは、あらゆる面で非常に完成度の高いクリエイティブな作品だと感じたからです。まず、非常に堅実な宗教的背景を持つ創造性の中核部分が感じ取れました。また、VR作品で私たちの日常の認識を超えた世界を体験したいと感じさせてくれました。この作品の創造性と想像力は、まるで宇宙に連れて行ったかのように、私たちの日常の現実世界の認識を壊します。私が作品内で出会った生物も非常に成熟していて視覚的に美しかったです。現在のテクノロジーの成熟度では、モデルサイズ、テクスチャサイズ、データボリューム、より多くのコンピューターの互換性を考慮する必要があり、再生できるようにするための最適化方法など、VR作品制作にはまだいくつかの制限があります。そして作業は非常に多岐にわたっています。この枠組みの中での作品制作、そして作品内部の文化的コアも非常に厚いと感じたので、これは当然の金賞だと思います。
審査員
Lu Yang
アーティスト
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世界の作り方、演出、インタラクティブ、コンセプト、すべてにおいて体験レベルとして精度が高く感じました。
その体験に居続けたいと思えるような気持ちになりました。審査員
imma
バーチャルヒューマン
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Neo Tengriは、コンセプト、ビジュアル実装、インタラクションデザインの質の高さで際立っています。非日常的で非常に没入感のあるファンタジーのような世界を提供し、ユーザーを直感的に引き込みます。ユーザーは、非常にうまくアニメーション化された新しい生物と出会い、交流する。この作品は、概念的にも視覚的にも未知のものに取り組んでいます。ユーザーは、安全で詩的な環境の中で、まだ見ぬ存在に接し、未知の世界を知ることになります。バーチャルな世界で未知の存在を知ることは、物理的な世界で新しい存在に親しむことを促し、それによって人間同士の相互知識と理解を育みます。Neo Tengriはそれに大いに貢献するものです。
審査員
Tina Sauerlaender
キュレーター・ライター
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新しい風景や奇妙な種族を想像させ、上下左右の見え方や動き方を変えるなど、VRというフォーマットでうまく遊んだ唯一の作品だったのがよかったです。また、ビジュアル・アイデンティティが強く、個性的な形を意識している作品でした。
審査員
Jakob Kudsk Steensen
アーティスト・ディレクター
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。