DrosTravel
Akira Tanaka
Interaction Engineer |JAPAN
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2022 ULTRA IDEA Prize
本作品は街頭テレビをモチーフに、ドロステ(フレームの中で同じイメージが再帰的に繰り返されていく様)の渦に巻き込まれる体験です。二次元平面におけるドロステは解像度の許される限りとなりますが、三次元空間に果てしなく続くドロステの終点は一体どのようになるのでしょう。
また現代では誰もが一人一台カメラを所持し、あらゆる場でなりふり構わず写真や映像を撮影します。そして気軽に加工したものをSNSにアップしますが、これまで指先一つで加工してきた現実は果たしてリアルと呼べるのでしょうか。本体験において、スマホを片手にもの珍しさを求めて近づいてきた者は、自分自身によって生み出されたドロステの渦に吸いこまれ、「加工されることへの恐怖」を体験します。加工されたリアルに生きる者は、いつしか他者によって唐突に電源オフにされてしまうかもしれません。
※本作品はスマートフォンで体験するAR体験です。
※端末は横向きで起動し、オブジェクトを任意の位置に出現させてください。
CREATOR PROFILE
Akira Tanaka
Interaction Engineer |JAPAN
1994年生まれ。早稲田大学表現工学専攻修了。インタラクティブなロボット制御やXR技術を活用したインタラクションデザインをテーマに作品を制作しています。
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AR 3Dモデルテレビとオーバーレイ効果を組み合わせた面白いアプローチだと感じました。チャンネルを変えたり、テレビとインタラクションできるなど、このアイデアをさらに発展させる余地があります。このアイデアをさらに発展させて、フィルターや3Dモデルとのインタラクションを開発することも可能でしょう。『Dros Travel』は、「溶ける現実」というテーマで、シンプルなアイデアですが、効果的で面白い遊び方だと思います。
ULTRA IDEA Prize 審査員
Nick den Boer
ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。