SEMI MEMORY
Adrian Steckeweh | Omega.C
建築家、CG/XR クリエーター |Germany, Japan
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2022 GRAND Prize / ULTRA MEDIA Prize / ULTRA CULTURE Prize
Semi Memoryは、全ての記憶は半分真実であるというアイデアに基づいている。
ここでの体験は静岡、神奈川、東京で収集した現実のスナップ写真の混ざり合いから成り、大正・昭和時代の空間や建築を記録しようと試む。これらの空間は徐々に消えつつあり、まだ取り壊されていないものもしばしば空き家と化し、忘れ去られ、郷愁の空間を作り出している。
私たちは自分の記憶が正しいと思っているが、正確であることは滅多にない。常に自身の知覚で色味がつき、他の記憶に上塗りされ、全体として、その一部だけ保存されているにすぎない。
Semi Memoryは、データは不完全で、テクスチャーはまばらで、その上に日常的なものが体験に入り込んでいるということを反映している。
また、semiはジージーと鳴く日本のセミを意味している。彼らは私たちの記憶に勝手に入り込む存在を見事に表している。毎年夏になると日本の音環境はセミに支配され、そうしてみんなの夏の記憶となる。
Semi Memoriesには始まりも終わりもない。テーマパークのようなオープンワールドである。歩き回り、出来事を見つけアイテムと対話してみよう。
テクスチャはAR体験の方が高解像度ですが、VRの方がより没入感があり、アイテムとの対話がもっと楽しいです。ぜひどちらも試してみてください。
CREATOR PROFILE
Adrian Steckeweh | Omega.C
建築家、CG/XR クリエーター |Germany, Japan
私の名前はAdrian Steckewehです。ドイツ人の建築家、CGクリエーター、XRアーティストです。2016年に東京に引っ越し、建築家として働きながらバーチャルアートを作っていました。
@omega.cでは誰でも携帯で使えるインタラクティブなインスタグラムのエフェクトを制作しています。現在は道後オンセナート2022で展示を行い、またミナトノアート2022にはARエフェクトで参加しています。
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知覚体験へのアプローチで、ソースが 「記憶」であり、奇しくもこれはMONDO GROSSO最新作「BIG WORLD」アルバム共通のテーマでもある「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界の中で、心の在処を探し続ける音楽の旅」と通ずるものを感じました。特にVRアーティスト「0b4k3」が映像監督を担当した“FORGOTTEN[Vocal:ermhoi (Black Boboi / millennium parade)]は顕著で、人間の身体性よりも心の作用を意識した作品であり、作品との不思議な親和性を感じました。
ULTRA SO SESSION Prize 審査員
Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)
音楽家 / 作曲家 / DJ / プロデューサー
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この作品にはインタラクティブな部分がたくさんありますが、現実世界をスキャンした部分もあります。現実と虚構が融合していて、今回のグランドプライズのテーマと非常にマッチしています。
ULTRA TOUR Prize 審査員
Lu Yang
アーティスト
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コラボレーションするにあたって、イメージが膨らんだ作品でした。
私もロゴを作成するのですが、SEMI MEMORYのロゴもすごく好きでした。
SEMI MEMORYの街並み感とストリートダンサーとのコラボレーションはナチュラルに、
そしてカッコ良い作品になるだろうなと思い選定させていただきました。ULTRA MEDIA Prize 審査員
yurinasia (ユリナジア)
ダンサー / ダンスインストラクター / コレオグラファー
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このどこか懐かしい世界は現実と非現実の間を揺らいでいる様だ。この作品を体験する者は過去と未来の記憶を揺さぶられるだろう。
ULTRA GRAPHIC Prize 審査員
北川一成
GRAPH代表取締役 / デザイナー / アーティスト
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VR/XRでものをつくるということは、どうしても立体オブジェクトのデータを取り扱うということと不可分です。ゆえに、作品づくりのためのツールも限定されてきます。この領域でのものづくりは、ツールの限界との戦いでもあります。
『SEMI MEMORY』は、体験をつくるためのツールの「クセ」をそのまま活用し、乗りこなしている作品です。ツールが生むノイズをそのまま作品の強さに昇華させ、つくり手の思いが「剥き身」で迫ってきます。ULTRA INNOVATION Prize 審査員
清水幹太 / ルカ
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この作品の、継ぎはぎやフォトグラメトリの瓦解した見え掛かり、そして生命感が薄い感じから、ディストピアのような感覚をもたらされる一方、コンパクトに様々な趣旨の異なる空間をまとめた、ある種テーマパークのようなユートピアの感覚も同時に感じる、変な愉快さがあった。
人の記憶の中でぼんやりと存在する街の像というのは、こういった印象に残った情景のつなぎ合わせに近かったりするのかもしれないと感じました。ULTRA CULTURE Prize 審査員
小林大介
プロデューサー / 株式会社パルコ エンタテインメント事業部 部長
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「creating a melting reality」というテーマを最もよく表現していると感じました。フォトグラメトリーのジオメトリのグリッチが夢のような雰囲気を醸し出していて、現実の写真から作られたものなのに、VRの中にいるととてもシュールな感覚になります。追加されたアニメーションやサウンドも非常によくできていて、夢のような環境をさらに盛り上げてくれました。
ULTRA IDEA Prize 審査員
Nick den Boer
ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。