AWARDS WORKS

Given: Marcel Duchamp

みふく

XR / Web Creator |JAPAN

OTHER PERSPECTIVE

DETAILS OF THE WORK

AWARDS 2022 FINALISTS

VR作品は、視界を完全に支配する事で他の知覚にも影響を与え身体性まで再現するという点で、究極の“網膜的”表現であると考える。
網膜的絵画を否定する事で始まった現代美術の文脈と、どのように接続できるだろうか。

ここで私は、その言説の張本人である「現代美術の父」マルセル・デュシャンの死後に発表された「Given: 1. The Waterfall, 2. The Illuminating Gas」通称「遺作」に注目したい。
覗き穴が開けられた扉、煉瓦壁、横たわる裸体像、電気仕掛けの滝、写真をコラージュし彩色された背景幕等によって複層的に作り出されたバーチャルの景色。
作品制作をやめ、専らチェスにふけっていると考えられていたデュシャンが手、どころか全身を動かして晩年に制作した作品がこれであった事に、私は感動を覚えると共に、バーチャル・リアリティとの融合を見るのである。

この作品では、「遺作」からインスピレーションを得てマルセル・デュシャンの世界に独自に迫る事を試みた。
彼の思考と美術に対する誠実さに敬意を表する。

CREATOR PROFILE

みふく

XR / Web Creator |JAPAN

京都芸術大学情報デザイン学科卒業。Webディレクター/デザイナーとしてWebサイト制作を手掛ける傍ら、美術分野での展示デザインやコンセプト設計を行う。新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言による自粛期間中に美術作家のオンライン展示をディレクションした事がきっかけでVRに興味を持ち、2022年NEWVIEW SCHOOL入学。XRクリエイターとして作品を制作し始める。

FEATURING WORKS

ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。

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