Displays XR
半澤智朗
グラフィックデザイナー / 映像作家 |日本
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2020 SILVER / SUPER DOMMUNE PRIZE
ヘッドマウントディスプレイはほぼ視界の全域をカバーし、見かけ上立体的な映像を表示できるため、感覚的には空間的制約が取り払われる。対して一般的なディスプレイが表示する映像は平面的で、大きさ、距離によってデバイスそのものも規定される場合が多い。本作品ではそのギャップを足掛かりに、VRの世界であえてディスプレイというモチーフを扱うことで、その記号性を逆手にとった実験的な表現を様々に試みた。私たちは普段ディスプレイを別世界への窓であるかのように接している。XR技術は現実と非現実を感覚的にミックスさせてくれるが、ディスプレイという窓を覗いていることには変わりない。
だが、XR技術が発展していった先、ディスプレイは今で言う紙の本のように旧来の媒体とされる日が来るかもしれない。しかしその時こそ、ディスプレイは様々な制約から取り払われ、本作品で描いたように新しい姿を見せてくれるのではないだろうか。
作品の超体験にはVR HMDが必要になります。体験方法はこちらをご覧ください。
CREATOR PROFILE
半澤智朗
グラフィックデザイナー / 映像作家 |日本
東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科卒。グラフィックデザイナーとして様々なプロジェクトに携わり、近年は3DCGを多用したMVやVR美術展の制作など、活動の幅を大きく広げている。エクストリームインプロヴィゼーション団体“跡地”の一員でもある。
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100年の歴史を持つ実験映画史にはミニマルな反復的快楽を齎す作品は沢山ある。例えば伊藤高史の『SPACY』は、700枚の無人の体育館の写真を構成し、連続運動の快楽とその運動が奇妙に変調される不協和音の美意識として探求したが、この作品は、そのような"クラインの壷運動”(©︎浅田彰)をVR空間で行なっている。つまりこれは、メタバースではなく、メタインスタレーション空間に産み落とされたカタルシスであり、ミラーワールドではなくミラールームにメタフィードバックするハルシネイションである。その果てに丘が存在したが、その空間が現実世界に接続されたネクストレイヤーこそがタイトルにもあるXRの入り口であろう。ここからの更なる世界観の発展に期待したい!!!!!!!
審査員長
宇川直宏
現在美術家(DOMMUNE)
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三次元的に再現された部屋には、液晶画面という二次元的、平面的な物体が存在し、画面には三次元的に捉えられた草原と空のイメージが映し出されます。液晶画面がクニャっと曲がっていたり、膨大な数になったり、または液晶画面に映し出されているはずのイメージが部屋の壁全体に広がっていたりするなど、枠組みや次元を超える、広がりと連続性を感じました。自分が普段接している芸術、主に絵画では、近代以降、二次元のカンヴァスをどう描くかがテーマになっています。この作品は、芸術の文脈で捉えても、素敵な側面が見えてきそうだなと思いました。
審査員
和田彩花
アイドル
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エレガントな発想で、とてもよくできていると感じました。このアーティストはデザインに対する優れたセンスを持っています。
審査員
デイヴィッド・オライリー
マルチディシプリン・アーティスト
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。