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自己他殺

ノガミカツキ

アーティスト |Japan

OTHER PERSPECTIVE

DETAILS OF THE WORK

概要
VRヘッドセットを使用しMixedRealityで、自分の顔をしたアバターの首を絞める体験
首を絞めて死に至るまでに、一般的に約6分かかると言われているため、この体験では6分間自分のアバターの首を絞めて、苦しんだり身体の色が変わっていく過程を自分で作り上げ、死に向かう時間の長さを体験してもらう。
また、演出としてアバターが一瞬誰か(Appleの空間映像の実写)に変わる。
展示空間ではカメラでユーザーのアバターを作り、強く握れる布を巻いたマネキンの首を絞める。

コンセプト
現代では、スマホやその他のテクノロジーによって、私たちの身体はインターフェースの一部として機能し、拡張の為のコントローラーにすぎない。しかし、Apple Vision ProのMixed Realityでは、身体がコントローラーなどに置き換わることなく、直接バーチャルな世界と接触することができる。これまでのゲーム体験では、ボタンやスティックを通して行動を代替し、いつでもリセット可能な世界だったため、死の概念が軽視されるのではないか、という議論が長く続いてきた。そして、いつしかその軽視が当たり前となってきた。しかし、自分の手が人を殺すという体験は、この概念を変えるのではないだろうか。
一方で、日本は先進国の中でも自殺率が非常に高く、その問題は深刻である。私の周りにも自殺者が多く、私自身も自殺を試みた経験がある。2021年にはTikTokで首しめゲームに参加した10歳の少女が誤って死亡した。Instagramでは自分の顔がコミュニケーションの手段となっており、ソーシャルネットワークなどのネット社会によって、私達のアイデンティティは常に変化を余儀なくされる。
この作品では、自己と他者、主観と客観の境界が曖昧なゲーム世代(スマホやゲームのPOV視点が当たり前の)に向け、自分自身を外側から見ることで、自殺を他殺として体験するコンセプトを提示し、身体とテクノロジーサービスの関係性を再考する作品です。

CREATOR PROFILE

ノガミカツキ

アーティスト |Japan

新潟県長岡市出身。
リンツ芸術デザイン大学インターフェースカルチャー、パリ第8大学ATI、武蔵野美術大学を卒業。
2018年モントリオールのコンコーディア大学Topological Media Labの客員アーティストとして在籍。
ベルリン芸術大学オラファーエリアソンの研究所に交換留学。
大阪北加賀屋に千島財団が主催管理のパブリックワークを恒久設置。
千葉県のものづくり施設MONOWにパブリックワークを恒久設置。

学生の頃から海外ビエンナーレ等に出展を行い17カ国での展示・上映経験がある。
アルスエレクトロニカや文化庁メディア芸術祭、ifva香港を始めとした受賞多数にBehind the Mac、Forbes U30、映像作家100人、フィンランドサウナアンバサダーに選出。VICEやWIRED、装苑などのメディアで作家特集が掲載。
自分の肌を数年間スキャンして記録、自然物に印刷し続けている。パブリックアートが大阪と千葉に恒久設置。

https://docs.google.com/document/d/1eEVePRxCgfpuEkP5yE-dQiBaTbVrdWb9e8yGRuYQUyo/edit?usp=sharing

FEATURING WORKS

ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。

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