my room / my sound
IEEIR
Artist Collective |JAPAN
OTHER PERSPECTIVE
DETAILS OF THE WORK
AWARDS 2022 GRAND Prize
ある時期の私の記憶を空間と音を使って体験可能なものにすることを試みました。空間は私が数カ月前まで実際に住んでいた都内のアパートです。その空間をバーチャル上で再現し、任意に分割しました。各空間からは私の記憶にまつわる音が聞こえます。聞こえてくる音の中には私が発した音もあれば、外部から聞こえた音、聞こえたように感じた音もあります。各空間とそこにまつわる断片的な音から私の『記憶』を体験してほしいと思います。
また、私たちはそのような断片的な音を再構築し1つの楽曲を作りました。本来であれば、関連のない音によって作られたこの楽曲は本作品内の空間を体験することによって、はじめて1つのまとまりのある音として立ち上がります。そのような音と空間の相互作用を生み出すことを意図しました。
『客観的で正確な記録』が力を持つ現代において『個人的で曖昧な記憶』にはどのような可能性があるでしょうか?本作はその問いを探求するための拠り所となるものです。
CREATOR PROFILE
IEEIR
Artist Collective |JAPAN
IEEIRは空間・音・映像・哲学分野のアーティストによって構成されているコレクティブです。
本プロジェクトの制作者
高橋祐亮/Yusuke Takahashi
Digital Artist
1992年生まれ
3D表現を軸に分野横断型のデザイナー・アーティストとして活動。
慶應義塾大学SFC卒業・東京藝術大学大学院修了
https://www.yt92.tokyo/
丸山翔哉/Shoya Maruyama
Sound Artist
1994年生まれ
音が社会的要素や自然的要素から発現することに着目し、それに伴う様々な聴取を「多元的聴取」と謳い、活動している。
慶應義塾大学SFC卒業
https://www.instagram.com/salex0829/
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知覚体験へのアプローチで、ソースが 「記憶」であり、奇しくもこれはMONDO GROSSO最新作「BIG WORLD」アルバム共通のテーマでもある「変わってしまった世界、さらに変わっていく世界の中で、心の在処を探し続ける音楽の旅」と通ずるものを感じました。特にVRアーティスト「0b4k3」が映像監督を担当した“FORGOTTEN[Vocal:ermhoi (Black Boboi / millennium parade)]は顕著で、人間の身体性よりも心の作用を意識した作品であり、この2作品との不思議な親和性を感じました。
ULTRA SO SESSION Prize 審査員
Shinichi Osawa(MONDO GROSSO)
音楽家 / 作曲家 / DJ / プロデューサー
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この作品は非常に私的で静謐さに溢れたものです。VR内を閲覧すると、静寂のうちに作者の精神空間にアクセスできます。
ULTRA TOUR Prize 審査員
Lu Yang
アーティスト
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感覚で引き込まれるものがありました。
音と映像のリンクはダンサーにとっても重要なものなので、この作品とどうやってコラボできるか考えました。
最終的にSEMI MEMORYを選定したのですが、my room / my sound のスタイリッシュでクールな感じも好きでした。ULTRA MEDIA Prize 審査員
yurinasia (ユリナジア)
ダンサー / ダンスインストラクター / コレオグラファー
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日常の当たり前の風景をシュールでミニマルな印象でとても魅力的な映像空間に仕上げられている。好きな表現だ。
ULTRA GRAPHIC Prize 審査員
北川一成
GRAPH代表取締役 / デザイナー / アーティスト
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VR/XRでものをつくるということは、どうしても立体オブジェクトのデータを取り扱うということと不可分です。ゆえに、作品づくりのためのツールも限定されてきます。この領域でのものづくりは、ツールの限界との戦いでもあります。
ビジュアル面ではツールの限界を超えていませんが、音とビジュアルで相互補完した総合体験として、見事な空間作品を構築できています。
ULTRA INNOVATION Prize 審査員
清水幹太 / ルカ
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3Dのバーチャル映像って不動産とか建築業界もいち早く取り入れられていて、そういう意味では非常に親和性のあるテーマ設定だったと思うが、そこに加えて”思い出の部屋”というものの時間的階層を奥へスクロールするアクションから、macのタイムカプセルのような時間を遡る感覚を視覚的にも感じることができる体験だった。もしかしたら、奥スクロールの記憶の視覚化は近い将来の思い出のアルバム化の一つの手法になっていくのではないか、という未来スタンダード表現の可能性に繋がる(かもと思わせる)作品です。
ULTRA CULTURE Prize 審査員
小林大介
プロデューサー / 株式会社パルコ エンタテインメント事業部 部長
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非常によくできていました、おめでとうございます。
ULTRA IDEA Prize 審査員
Nick den Boer
ディレクター / アニメーター / デジタルアーティスト
FEATURING WORKS
ファッション・音楽・映像・グラフィック・イラストレーション...etc
同時代のリアルな感覚を共有できるアーティストとともに創造する新たなカルチャー体験の作品群。