OPEN CALL 2023
XR表現を探求するプロジェクト
NEWVIEW アーティスト・クリエイター支援プログラム
「NEWVIEW OPEN CALL」は、アーティスト。クリエイターに新たなリアリティのあり方を提示する創作活動の機会を提供し、そのプロセスとアウトプットを社会へのインストールすることで、文化・ライフスタイルを新たにする表現・探求・運動の創造を目指すプログラムです。
公募・選考によって選ばれるアーティスト/クリエイターは、「NEWVIEWアソシエイト・アーティスト」として、企画の具体化と発表、創作プロセスの公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、NEWVIEWのパートナーとして活動します。
審査員でメンターの宇川直宏氏の審査の結果、4組の採択アーティスト・クリエイターを決定しました。当初3組の予定でしたが、審査において高く評価されたプロジェクトが多数あったことから、1組増枠を行い、結果的に4組を採用することが決定しました。4組は、「NEWVIEWアソシエイト・アーティスト」として、企画の具体化と発表、創作プロセスの公開やワークショップ、トークイベント等を実施し、最終成果を2023年12月に開催を予定するXRの祭典「NEWVIEW FEST」で発表します。
現実が仮想を模倣する。
街中のホログラム、スマートフォン越しのAR、乱立するデジタル国家……thisもthatもnowもthenもなく、人々が紡ぐ想像力と仮想がお互いの世界を拡張し合い、同じリアリティの中に存在することが可能になった時代。NEWVIEWもこうした流れの中で生まれ、デジタル空間と現実の間で、いかに世界を読みかえることができるかに挑戦してきた。それは個々人をそれぞれのリアリティにログインさせることだったとも言える。
NEWVIEWが次に多くの人々をログインさせたいのは、社会そのものだ。社会に仮想を立ち上げ、新しい視点を加え、現実そのものを拡張したい。混沌とした世界に道標を、より良い未来を引き寄せるヴィジョンを。システムも国境も、すべては誰かが描いた物語。なのであれば、NEWVIEWから生まれる物語を次々と社会に実装していこう。
参加アソシエイト・アーティスト
テーマ1:
ワークショップなどを通じて社会的な運動として拡張するプロジェクト型の作品
李静文
李静文
李は、作家、企画者、研究者などとして幅広い分野で活躍し、芸術団体の運営及びコレクティブのメンバーとして現代アートを多面的な視点から捉え表現している。彫刻のバックグラウンドとメディア理論研究者の視点を融合し、独自のキュレーションでポストメディア時代のアートシーンを牽引することを目指している。
The Colossus on AIR
一つのStyly空間で4名のアーティストがそれぞれ2週間ごとに連続してこの空間でリレー制作する。制作内容を問わず、次のアーティストによって上書きや再制作されることを前提として、この空間を一つの巨像として創り上げる。
4名のアーティストが閉じ込められたこの空間では、デジタルで構築された地層が次から次へと重なっていき、歴史が刻まれる。我々はこのデジタル地層を発掘し、発見される物質資料を解読することによって、諸感官で読み取った表象だけでなく、仮想世界の普遍的な仮想の実を見つける。
本プロジェクトでは、現実世界のような有限性を提示し、限られたデジタル空間での変遷を公開、デジタル巨像の在り方を問う。
参加アーティスト
JACKSON kaki、伊阪柊、菅野歩美、徐秋成
テーマ2:
新しいカルチャーシーン形成を目指す、音楽、映像、パフォーマンス領域の表現開発
ノガミカツキ
ノガミカツキ
アーティスト。現在パリ在住 Cite des Arts in Parisにて1年間のレジデンス中。リンツ芸術デザイン大学インターフェースカルチャー、パリ第8大学ATIに在籍。2018年モントリオールのコンコーディア大学Topological Media Labの客員アーティストとして在籍。ベルリン芸術大学オラファーエリアソンゼミに交換留学。武蔵野美術大学卒業。大阪北加賀屋に千島財団が主催管理のパブリックワークを恒久設置。千葉県のものづくり施設MONOWにパブリックワークを恒久設置。
Body Memory
身体の記憶を再生するVR作品。
現代社会で身体の役割はスマホを扱う指先まで縮小されています。
VR後に自分の身体に戻る時の身体離れの違和感、記憶が短期間で消える人は身体で記憶する事、モーリス・メルロ=ポンティの「身体は世界を経験するための一般的な媒体である」という考え等に触発され、自分という存在において一番大事な部分は何か、魂が宿る場所を考えた時に、身体の記憶が重要だと考えました。
そこで、私個人の日々の身体を3Dスキャンで、またその動きをモーションキャプチャで記録し、身体が単なる操作のためのインターフェースではなく、個人の歴史とアイデンティティを形成するものとしての重要性を探ります。そして、記憶が主観的に自分という存在を定義する重要なものとして、日記のテキストを合成音声で再生する事で、過去の自分の身体のアバターに記憶を物語ってもらいます。
kengoshimiz
kengoshimiz
kengoshimizは、1996年生まれのアーティストです。kengoshimizの作品制作は「構造」と「体系」に着目することから始まります。 現在、主に日本の伝統音楽の作曲システムの研究と創作を行っています。日本伝統音楽には音階論やリズム論はありますが、具体的な作曲理論がありません。 その部分を解明することによって、過去の日本伝統音楽の構造解析や、新しく日本伝統音楽から発展した音楽を作り出すことが可能になると考えています。
ARHRC(AR Hacking Radio Center)
ARHRC(AR Hacking Radio Center)は、商業施設内で階や店舗ごとに本来とは異なるBGMをARを使って提供するプロジェクトです。現在、主なAR体験手段はスマートフォンですが、画面サイズによる制約があります。これに対して、ノイズキャンセリングイヤホンは「音のオーバーレイ」による新しい体験を提供します。ARHRCは、このイヤホンの特性を活かし、各階、各店舗で独自のラジオ番組やBGMをARを通じて提供します。インディペンデントな文化の普及と、多様な店舗体験の実現など、様々な展開が可能です。
最初の放送は、”Skew Kankyo Trip”と題された11つの音楽プログラムです。
アンビエント音楽家、建築家、そしてKankyo Recordsを営むH.Takahashi氏と、ARHRCの企画者、kengoshimizによる音楽が放送されます。
テーマ3:
新しいリアリティの獲得について文化人類学、民俗学、社会学、心理学などの視点で探求するリサーチベースの作品やプロジェクト
伊藤 道史 | Michibumi Ito
https://onl.bz/xKd7d1s
伊藤 道史 | Michibumi Ito
VRを用いて、私たちとこの世界が別のあり方で開かれた思弁についての制作と研究を行う。CGや詩作と、VRやドキュメンタリーの手法を行き来し、世界と「私」の可塑性を模索する。現在は特に幻想の地面・地平と、その上で扱われる根拠律や座標系をモチーフに制作を行っている。東京藝術大学大学院 映像研究科 メディア映像専攻在籍。
https://onl.bz/xKd7d1s
松本悠 | Yu MATSUMOTO
松本悠 | Yu MATSUMOTO
美術家。1997年大阪府泉佐野生まれ。過去には、行方不明者や身元不明遺体などをモチーフにした作品を発表。VRから制作を始め、現在はCGのように造形的な作用を写真に施す制作を行う。
LOSING GROUNDS
《LOSING GROUNDS》は、伊藤道史と松本悠によるVRインスタレーション。
鑑賞者は、両足に装着具をつけることで、VRのなかで自分の足取りを見つけたり、
見失ったりしながら歩くことができる。
日本中に張り巡らされている地震計のリアルタイムデータや、土地から所在が行方不明になる存在などのリサーチを元にしてVRの物語は構成されている。
「Ground」という言葉は「土地・地面」と「理由・根拠」の二重の意味で、私たちの足場・土台を示している。土地から私たちがいなくなることと、私たちから土地がいなくなる交錯のなかで、新たな座標系や空間の上の足取りを探索する。
制作協力
マネジメント : ippaida strage
デバイス : nyu ( Larvae yeT )
提供・出典元
観測点:気象庁 震度観測点 JSON
震度:防災科学技術研究所 リアルタイム震度モニタ
メンター
宇川直宏
宇川直宏
1968年生まれ。映像作家/グラフィックデザイナー/VJ/大学教授/文筆家そして"現在美術家"など、幅広く極めて多岐にわたる活動を行う全方位的アーティスト。1980年代末にグラフィックデザイナー/映像作家として頭角を表し、2001年ニューヨークのMoMA PS1での「Buzz Club: News from Japan」、ロンドンのBarbican Art Galleryでの「JAM: Tokyo-London」に参加して以来、国内外の数多くの現代アートの展覧会で作品を発表。2010年3月、突如個人で立ち上げたライブストリーミングスタジオ兼チャンネル「DOMMUNE」は、開局と同時に記録的なビューアー数を叩き出し、国内外で話題を呼び続けている。宇川はDOMMUNEスタジオで日々産み出される番組の、撮影行為、配信行為、記録行為を、自らの"現在美術作品"と位置づける。これまでDOMMUNEは数々の現代美術の国際展に参加し、ロンドン、ドルトムント、ストックホルム、パリ、ムンバイ、リンツ、福島、山口、大阪、香川、金沢、秋田、札幌、京都、佐渡島...と、全世界にサテライトスタジオをつくり、偏在(いま、ここ)と、遍在(いつでも、どこでも)の意味を同時に探求し続けている。2019年11月22日、渋谷PARCO9階のクリエイティブスタジオに移転。そして2020年開局10周年を経て、第二章に向けてWEB3.0以降の最前衛テクノロジーと共に未来を見据えたUPDATEを図り、ファイナルメディア『DOMMUNE』の進化形態『SUPER DOMMUNE』へと進化した。2021年、令和2年度(第71回)芸術選奨文部科学大臣賞 受賞。2023年、練馬区立美術館で、12度目のDOMMUNE展「宇川直宏展|FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」が開催。Rhizomatiksとのコラボにより、DOMMUNEオリジナルモデルのジェネレーティブAIを創生し“描く”という行為の歴史的なアップデートを図る。
NEWVIEWアソシエイト・アーティストの活動
NEWVIEWアソシエイト・アーティストへの
サポート内容
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①制作サポート
アソシエイト・アーティスト活動に対する経済的・環境的なサポートとして、100万円を上限とした制作費および制作活動やミーティング等に必要なスペースを提供する。
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②レベルアップサポート
企画の具体化にあたって、
メンターをはじめとする専門家によるアドバイス・技術支援等を受ける機会を提供する。 -
③プロモーションサポート
NEWVIEWのウェブサイト・SNSにおける情報発信、作品発表を行う「NEWVIEW FEST」のWEBやパンフレット、会場サイン等への掲載、作品や企画の記録・アーカイブの構築をサポートする。
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④マネージメントサポート
作品や企画を広く公開するために必要となる会場手続き、会期運営、機器運用、作品設営等のマネージメントをサポートする。
募集概要
募集テーマ
新しいリアリティの視点獲得・創造・共有につながる作品を以下の3テーマで募集。
各テーマ1毎1組を採択します。
- 募集テーマ1:ワークショップなどを通じて社会的な運動として拡張するプロジェクト型の作品
- 募集テーマ2:新しいカルチャーシーン形成を目指す、音楽、映像、パフォーマンス領域の表現開発
- 募集テーマ3:新しいリアリティの獲得について文化人類学、民俗学、社会学、心理学などの視点で探求するリサーチベースの作品やプロジェクト
応募者・企画内容の条件
- (1)日本在住であること。
- (2)18歳以上であること。
- (3)作品の制作や展示などにおいて必ず一部はSTYLYを用いたAR、VR、MRの表現を組み込むこと
- (4)企画の実現に向け、メンターとの面談(3回程度)と、2023年12月上旬に実施予定の「NEWVIEW FEST 2023」に参加が可能であること。
- (5)応募した企画を、2023年12月上旬に実施予定の「NEWVIEW FEST 2023」で発表すること。
- (6)活動期間を通して、SNS等を用いた継続的な情報発信を行い、アソシエイト・アーティスト活動の周知を行うこと。
注意:活動成果を発表するNEWVIEW FESTは東京をベースに開催予定。またメンターとの面談も東京をベースに行う予定です。面談はオンラインも可能
アソシエイト・アーティスト委嘱予定期間
採択後初回面談となる2023年9月18日から2023年12月31日まで
※アソシエイト・アーティスト委嘱後、著作権の帰属や制作費等の支出に関し、事務局との契約締結を行います
応募方法
下記応募フォームからご応募ください。
https://forms.gle/SSwSpXFK8g8suiQV7
エントリーに必要な情報
(1)企画概要
① 作品コンセプト、作品形態、使用する制作ソフトや技法、完成時の具体的なイメージなど
② 作品発表プランやプロジェクトの展開
③ 制作スケジュール
・実現可能な内容とすること。
・2023年12月以降も制作、発表予定がある場合は併記すること。
(2)ポートフォリオ
これまでの活動や制作した作品が分かる資料 ※形式自由
応募可能件数
同一応募者による、複数件の応募が可能です。ただし、重複して採択されることはありません。
採択件数
3件(上記3つの募集テーマごとに各1件)
審査基準
(1)企画のコンセプト・オリジナリティ
独創性があり、テクノロジーを活用した新たな技法や表現に対するチャレンジがある。
(2)企画の実現性
ミッション、活動テーマに対しての提案内容が妥当であり、かつ予算やスケジュール、実施体制等、企画を具体化するための計画が適当である。
(3)文化・社会での影響度
創作活動の公開や、ワークショップ、レクチャー等の開催などが、他のアーティスト/クリエイター、社会によりよい変化をもたらすことが見込まれる。
エントリー期間・審査方法・スケジュール
・エントリー期間:2023年8月4日(金)〜2023年9月4日(月)12:00まで
・提出された申請書類を事務局で精査し、メンターの宇川直宏氏と事務局による審査を経て決定します。
・審査・結果発表:2023年9月上旬予定
採択アーティスト/クリエイターの決定
応募結果は採否にかかわらず、メールにて通知します。決定アーティスト/クリエイターの情報は、NEWVIEWのウェブサイトにて公表します。申請件数や審査の進捗状況によって、通知・公表の時期が遅れることもありますので、あらかじめご了承ください。なお、採否の理由については、お答えしておりません。
NEWVIEW アソシエイト・アーティストのスケジュール
- メンターとの面談
- 初回:2023年9月中旬
- 中間:2023年10月中旬
- 最終:2023年11月中旬
- 成果発表
- 2023年12月上旬:NEWVIEW FEST内を想定
個人情報の取扱い
エントリー時に記載された個人情報は、NEWVIEW PROJECTの個人情報の保護に関する規定に則り、適正に管理いたします。ただし、審査や事後評価等のためメンターや外部有識者に提供することがあります。また、採択者の活動やNEWVIEWのプログラムに関するお知らせ等をお送りする場合があります。
NEWVIEW PROJECT プライバシーポリシー
https://newview.design/privacy
本プログラムに関するお問い合わせ
NEWVIEW OPEN CALL運営事務局
Email: info@newview.design