第2回講義レポート「エモーション」「STYLYの基礎」
(手法+技術)☓独自の発想で、ヤバイ作品を生み出す
本職の映像はもちろん、WEB、ゲームetc.さまざまな手法やメディアを表現のフィールドにしてきた大月さんは、3つの作例をもとに自身の“エモい”作品づくりのを紹介してくださいました。
ポイントは、手法と技術の組み合わせに独自の発想を掛け算をして、“なんじゃコリャ”というヤバイと言わせる作品を生み出すこと。そのきっかけには、既存の手法や技術への不満や違和感があることが多いとのことです。
作例
例えば、VR作品『paralledice』は、既存のVR作品への不満が発想の源泉だと語ってくださいました。
その不満とは、空間を水平に広げるばかりで、その割に空間が狭い作品ばかり…というもの。加えて、空間にオブジェクトを簡単に配置できるのに、突き抜けたアプローチが行われていないことにも違和感を感じていたそうです。
そこで大月さんがカウンター的に表現した作品が『paralledice』でした。縦に長い世界を作り、容量の限界までオブジェクトを配置。体験者が能動的に体験するVRならではの特性を意識して、好奇心や、驚きや、モチベーションを刺激・コントロールする作品に仕上げています。
自分の感情が発想の源にあり、着地点に鑑賞者の感情がある
エキセントリックな演出や仕掛けを含む作品を作るうえでも、鑑賞する人は無視できないと、大月さん。仕掛けや演出を自分の中で完結するのではなく、現実世界で共通認識化されている“あるある感”や“皆ごと化”を意識し、鑑賞する人とどのようにコミュニケーションしていくかが重要だとと語ります。
自分の感情(エモーション)が発想の源にあり、着地点に鑑賞者の感情(エモーション)がある。そんな作品こそがエモーショナルな作品なのでは?と、受講生へメッセージを投げかけ、締めくくりました。