第2回講義レポート「エモーション」「STYLYの基礎」

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NEWVIEW SCHOOL第2回目の基礎講座は「エモーション」。

講師は、『シャキーン!』『ダウンタウンDX』『M-1グランプリ』などの人気番組を手がけてきた放送作家の倉本美津留さんと、独創的でアート性の強い映像を発表し続けている映像作家、ディレクターの大月壮さんのおふたりです。

わたしたちはクリエイティブを通して、何らかのメッセージや、うちに秘めるモノを発信します。今回の講義では、その原動力となる「エモーション」に着目。視聴者の感情を動かす意味での“エモい”表現にも視野を広げ、作品の源泉となる着想の段階から、アウトプットの表現に至るまで、おふたりは自身の作品を事例に考察を進めてくださいました。

(手法+技術)☓独自の発想で、ヤバイ作品を生み出す

本職の映像はもちろん、WEB、ゲームetc.さまざまな手法やメディアを表現のフィールドにしてきた大月さんは、3つの作例をもとに自身の“エモい”作品づくりのを紹介してくださいました。

ポイントは、手法と技術の組み合わせに独自の発想を掛け算をして、“なんじゃコリャ”というヤバイと言わせる作品を生み出すこと。そのきっかけには、既存の手法や技術への不満や違和感があることが多いとのことです。

作例

・『アホな走り方集』

・サザンオールスターズ『闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて』のMV

・VR作品『paralledice』

例えば、VR作品『paralledice』は、既存のVR作品への不満が発想の源泉だと語ってくださいました。

その不満とは、空間を水平に広げるばかりで、その割に空間が狭い作品ばかり…というもの。加えて、空間にオブジェクトを簡単に配置できるのに、突き抜けたアプローチが行われていないことにも違和感を感じていたそうです。

そこで大月さんがカウンター的に表現した作品が『paralledice』でした。縦に長い世界を作り、容量の限界までオブジェクトを配置。体験者が能動的に体験するVRならではの特性を意識して、好奇心や、驚きや、モチベーションを刺激・コントロールする作品に仕上げています。

自分の感情が発想の源にあり、着地点に鑑賞者の感情がある

エキセントリックな演出や仕掛けを含む作品を作るうえでも、鑑賞する人は無視できないと、大月さん。仕掛けや演出を自分の中で完結するのではなく、現実世界で共通認識化されている“あるある感”や“皆ごと化”を意識し、鑑賞する人とどのようにコミュニケーションしていくかが重要だとと語ります。

自分の感情(エモーション)が発想の源にあり、着地点に鑑賞者の感情(エモーション)がある。そんな作品こそがエモーショナルな作品なのでは?と、受講生へメッセージを投げかけ、締めくくりました。

人はどれだけボケられるか

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後半はバトンタッチして、放送作家の倉本美津留さんが、長年培った放送作家の哲学と、制作してきたテレビ番組における「エモーション」について語ってくださいました。

取り上げられた作品の一つをご紹介。

倉本さんがバカリズムさんとともに企画した「バカリズムのテンポよく間違えよう」という番組のワンコーナーの企画です。内容はそのままで「間違える」ことがルール。出された問題に対して正解を答えるのではなく、「間違い」を答えなければならない。それもテンポよく…。

大喜利の延長にあるこの企画は面白おかしく、視聴している受講者からも笑い声が聞こえてきました。

「人はどれだけボケれるか」。当たり前とは違う方向に思考を強制的に持っていくことで、発想を広げることができる。「こんなのないやろ」という思いで、新たな作品を創り上げることが重要だと語ります。

倉本さんの手がけてきた作品の内容はいずれも独創的な表現で笑いを生み出しており、受講生はエンターテインメントとして楽しみながら、同時に発想の方法について気づきを得ることができました。

発想のヒントは日常見過ごしているものにある

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「世の中にあるものすべてがきっかけ、ヒントになる」「見過ごしているものの中にこそ何かがある」。倉本さんは、その後も他の具体例を提示しながら、生活の中における偶然性や、見過ごしていた何かが大きな発想の要素になる可能性があることを伝えてくださいました。

受講生は、世の中の当たり前の見方や捉え方に対する違和感や異なる視点を持つことの重要性と、それをエモーションへと昇華するヒントを得られたのではないでしょうか。

NEWVIEW SCHOOLの基礎講座では、技法やテクニックだけはなく、作品を企画するうえでの視点と表現の本質を深めています。今回の基礎講義でも受講生は新たな気づきを得ることができたかと思います。

テクニカル講座は「STYLYの基本操作」

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後半のテクニカル講座は、「STYLYの基本操作」。NEWVIEW SCHOOLの作品づくりのベースとなるVR作品制作・配信のプラットフォーム「STYLY」の基本操作をチュートリアルに沿って、触りながら学んでいきました。

STYLYは3Dオブジェクトだけでなく、YouTubeの映像や、画像データ、音楽データ、PDFなどさまざまな形式のデータを仮想空間にアップロードし、作品の一つに組み込むことができます。操作性もとても簡単で、初心者でもVR空間の創造ができます。

だからこそ、個性や各々のセンスがより問われるもの。NEWVIEW SCHOOLでは一流のプロフェッショナルの基礎講座との両輪で創造性を磨き、各々の作品世界を創り上げるべく、日々切磋琢磨しています。


Photo : Kyoko Sakuma (NEWVIEW SCHOOL学生インターンシップ)
Text : Takaumi Arakaki (NEWVIEW SCHOOL学生インターンシップ)










ryosuke hara